わたしたちを取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。
働き方の多様化、ユーザーの価値観の多様化、社会課題との接続。
これまで以上に、企業や社員が幅広い視点で課題を捉え、解決策を模索することが求められています。
こうした中、株式会社オカモトヤ様からお声かけをいただき、両社で社員交換留学プログラムを実施しました。
このプログラムの目的は、単なる研修や視察ではありません。
互いの文化や業務プロセスに触れることで視野を広げ、共創の可能性を探ること。
業界全体の活性化や、人材育成の新しい形を見出す機会として、今回の取り組みは始まりました。
交換留学プログラムの概要
目的と応募条件
まずはじめに、募集要項の策定をおこないました。
先にお伝えしたように、今回第一回目の目的として下記の目的を設定。
- 他社の文化・業務プロセスを体験
- 社員一人ひとりの視野拡大、スキル向上
- 人的ネットワークの構築
- 企業の成長と共に、個人の成長も促進
部門や職種を問わず条件を満たす方、また自社在籍3年以上の方を募集対象とし、自由応募という形で募集を行いました。
条件を満たす方
部門や職種を問わないが、自社在籍3年以上であること
〇 新しい環境でのチャレンジ精神を持っている
〇 チームワーク・コミュニケーション能力に優れている
〇 派遣後に自社での業務に知見を還元できると判断される者
〇 プログラム開始前後のオリエンテーションにも参加できる者
他社の文化や業務プロセスを知り違いを体験するには、自社の文化や業務プロセスを知っていることが大前提です。このため、人材育成という視点から考えると本来「社員全員を対象」としたいところでしたが、今回は「3年以上」という区切りを設けました。
主なプログラム内容
今回の交換留学は、開催第1回目ということもあり、長期間ではなく短期間での留学、また立候補した社員の仕事状況も考慮し3~5日間程度という期間を選べるプログラムとしました。
例)
【3日間の場合】
1日目:企業理解
2日目:社員同行など現場同行、関係構築やビジネススキルを学ぶ
3日目:テレワークなど行いながら働きやすさや違いの発見
【5日間の場合】
1日目:企業理解
2日目:社員同行など現場同行、関係構築やビジネススキルを学ぶ
3~4日目:テレワークなど行いながら働きやすさや違いの発見
5日目:学びの共有、自社に活かせるアイデア共有
期間
交換留学の期間は、個人の状況によって3~6日間と幅の広いものとなりました。
「同時期にお互いの仕事を交換する」というスタイルではなく、
8~9月:丸天産業からオカモトヤ様へ
10月:オカモトヤ様から丸天産業へ
というように、時期をずらして行われました。
また、8月には事前オリエンテーションが、11月には交換留学振り返りオリエンテーション(発表会)が開催され、4カ月間に及んだプログラムとなりました。
それぞれの交換留学で得た学び
交換留学を通して、留学生がそれぞれに得た学びを少しご紹介します。
①当たり前でない
自社の設備や制度が当たり前でなかったことも知れた
これまで経験していないことができた
②すぐに結果を求めない
1歩ずつお客様と大切につながりをつくっていくこと
目指すものに熱量を持ち続けるころ
③お互いを知れた
悩みを共有できたことは安心感と次への意欲につながる
④自社に活かす
自社に活かせることは活かし、共創していきたい
それぞれの視点から “違い” の中にある価値を見出してくれたようです。
名古屋に根差した丸天産業と、
東京の中心・日本橋で事業を展開するオカモトヤ様。
同業であれど、両社のビジネス環境は大きく異なります。
東京で感じる「スピードと合理性」、名古屋で感じる「じっくりと関係を築き、信頼を積み上げるプロセス」どちらも正しく、どちらも必要であり、その “差” を体感することができたことも今回大きな学びとなりました。
丸天産業の留学生の声
丸天産業から(株)オカモトヤ様へ留学したメンバーは、林・宮本・武田の3名。
留学しての学びや良かったことを聞いてみました。
林
ワンフロアの丸天とは違った新鮮さ
営業として同じ悩みや課題があり、お互いに良いパートナー&良いライバルになれると思いました。
今後は、協業を通してお互いの成長につなげていきたい。
宮本
濃い6日間を過ごせた
たくさんの気づきと自社にも活かせる仕組みを学べ有意義で濃い6日間を過ごせました。特に部署を超えた横と縦の連携方法は丸天産業にも取り入れ、連携を強化していきたいです。
武田
他社を知ることができ、悩みも共有できた
『あったかい働いてみたくなるオフィス』でした。
人の温かさはもちろんFellneに則った、誰にでもやさしい働き方、またお互いを知ることでより良い在り方に向けて挑戦する姿がありました。これからも同志として高めあっていきたい。
日々の仕事に埋もれると見失いがちな視点を再認識し、自社の存在意義を見直す良い機会にもなったようです。
両社長講評
交換留学振り返りオリエンテーションでは、両社長からも講評をいただきました。
両社長からは、それぞれまず関係してくれたすべての社員への感謝やお互いの企業への感謝も述べられ、またこれからの展望についても述べられました。
オカモトヤ鈴木社長
メッセナゴヤは共創の最たるもの
メッセナゴヤでは、交換留学で学んだことを活かして具現化でき空間にFellneを融合させる新しい提案の形に気づけた。デザイン力と企画力を掛け合わせ、進んでいくことが会社の価値につながる。また、留学生の発表のとおりどの会社でも悩みは同じ。「では自社ではどうするか?」という視点をもち考え・動くことで結果が生まれていく。両社の違いを活かし、ぜひ共創を今後も継続していきたい。
丸天産業天野社長
素直な学びに喜び
自社に活かせること・見習うべき点など素直に学んできてくれたことが何よりも嬉しい。留学で感じたものを活かしメッセナゴヤでFellneを広げる手伝いができたという実践・具現化になったことも良い経験となった。丸天産業ではまだ社会貢献ははじまったばかり。オカモトヤ様のように可能性を広げていきたい。また地域での時間の流れの違いを逆に活かしお互いに共有・強みとしていきたい。
メッセナゴヤでの共創とは?
留学で得た知見は、すぐに実践へとつながりました。“学び”が“形”となった瞬間です。
メッセナゴヤ2025の展示ブースでは、互いの強みを掛け合わせた新しい提案を具現化。わずか4000×4000のスペースの中でしたが空間デザインとFellneを融合した「誰もが働きやすい空間」として共創の形を表しました。

同業2社 初の共創出展!株式会社オカモトヤ様と「メッセナゴヤ2025」に共同出展しました
2025年11月5日(水)~7日(金)、メッセナゴヤで開催された日本最大級異業種交流展示「メッセナゴヤ2025」特別展示Next Eraゾーン~スマートロボティクス&フェムテック~に、丸天産業は株式会社オカモトヤ様と共同で出展しました。 イベント概要 名称:日本最大級異業種交流展示「メッセナゴヤ2025」会期:2025年11月5日(水)~7日(金)会場:ポートメッセなごや 第一展示館(名古屋港金城ふ頭)開場時間:10:00~17:00展示場所:特別展示Next Eraゾーン~スマートロボティクス&フェムテック~開催規模:844社主催:メッセナゴヤ実行委員会(愛知県・名古屋市・名古屋商工会議所)後援:中部経済産業局、一般財団法人地球産業文化研究所公式サイト:https://www.messenagoya.jp/展示会へのご来場者はおよそ50000名、展示ブースへは300名を超えるお客様にご来場いただき大盛況の展示となりました。 出展内容 本展示では、オカモトヤの「Fellne」が掲げる「誰もが安心して働ける空間」という理念を基盤に、丸天産業のデザインチームが空間レイアウトを設計。Fellneのサービスである災害用レディースキットやアメニティバーを融合させ、ハード(空間デザイン)とソフト(人への配慮や文化づくり)の両面から、多様な働き方に対応できるオフィス空間を提案しました。また先日あいち女性の輝きカンパニー優秀賞を受賞した企業とのことでフェムテックのイベントブースの中から大村知事視察に選んでいただき、展示ブースについてご説明の機会をするなど多くのご来場者様に本展示を通じて両社の取り組みを広く発信する機会となりました。 展示会の様子 3日間の展示の様子を写真とともにご案内します。 左)リラックスエリア+Fellneアメニティバー、サイネージ後ろ)打合せエリア、奥)執務エリア+災害用レディースキット、パネル展示)日経ニューオフィス賞を受賞した2社による共創展示パネルと両社ロゴ(敬称略)家具)トヨスチール・&MEDICAL、サイネージ)ファースト、コーヒー)エームサービス 中左(株)オカモトヤ鈴木社長・中右(株)丸天産業天野社長、展示責任者 執務エリアに災害用レディースキット リフレッシュエリアにアメニティバー アメニティバーについて説明 コーヒーを楽しむ・(後ろ)2社共創展示パネル コーヒーを楽しむ 誰もが働きやすい空間について書込み中 たくさんの案が寄せられはじめました &MEDICAL家具体験 スタンディングチェア体験 特別展示Next Eraゾーン~スマートロボティクス&フェムテック~の、フェムテックエリアにある弊社展示について知事へ説明今年あいち女性の輝きカンパニー優秀賞受賞したことから弊社を説明企業として選んでいただきました。 アメニティバー アメニティバーは性差による働きにくさの解消を実現することを目的に、企業のフェムアクションをサポートする新規事業としてオカモトヤが立ち上げた “Fellne”のサービスです。 生理用ナプキン/コットン/綿棒/ヘアゴム/お灸/めぐりズム/タブレット/マウスウォッシュ/キャンディ/マスク/メイク落としシート/デンタルフロス/汗拭きシート/絆創膏/瞬間冷却パック/ヘアオイルなど、その時に必要なものを性差なく選べることで、使う時の気まずさの解消し自然にあることとが当たり前という環境からお互いの課題について無意識に知る=配慮できるような環境も醸成します。今回、リフレッシュエリアにアメニティバーを置いたことで、「ホテルのアメニティ」のようにいつでも使えるという働きやすさや安心感につながるオフィスをイメージしていただけました。 災害用レディースキット 災害用レディースキットもオカモトヤが立ち上げた “Fellne”のサービスです。災害時は物流もストップしてしまいます。避難所で支給される女性向け衛生用品も数が限られてしまったり、確実に入手できない状況ででも災害による不安等でホルモンバランスを崩し、⽉経がはじまってしまうことも考えられます。災害⽤レディースキットは、このような事態を解決するプロダクトです。3days BOX、1day SlimBOXがあり、この2つを展示しました。執務エリアに展示し、オープンキャビネットにも展示をすることで、オフィスの中にある「女性用」の災害キットであることをよりリアルに伝えることができました。 空間とフェムテックの融合 下記の複数社様に多大なるご協力をいただき、今回の展示を行うことができました。この場をかりて御礼申し上げます。空間は弊社デザインチームがレイアウトしました。オカモトヤと丸天産業は以前より交流をおこなっています(下記参照)。その取り組みの中の1つ、交換留学でデザイン部の社員がFellneの考えを学び、Fellneブランドが活きるようレイアウトデザインを行いました。 パネル展示・ワークショップエリア 心休まるリフレッシュエリア 快適に働ける執務エリア 会話が自然と生まれる打合せエリア この4つの空間をとおして ■フェムテックと空間が融合した女性視点の働きやすさや安心感■使う時の気まずさが解消し、お互いの課題を無意識に知ることで自然にあることとが当たり前という環境■生理や更年期といった課題すらも活かした空間づくり・働き方 「という、新しいオフィスのあり方」や「働き方の可能性」「オフィス環境の重要性」を多くの方に知っていただく機会となりました。 パネル展示・ワークショップエリア 2社共創パネルの展示と「誰もが働きやすい空間とは?」というテーマで自由に記載してもらうワークを行い、ご来場の皆様がこんなオフィスだったら行きたい!と思えるオフィスや嬉しいと感じる瞬間などをご記載いただきました。中には「集中できるスペースがある」「川のせせらぎなど自然音が聞こえる」「トイレが綺麗」「声をかけてもらえる」「ひとりになれる場所がある」など、空間や音への配慮、コミュニケーションやエンゲージメントの重要性を感じさせる内容が多く寄せられました。 心休まるリフレッシュエリア リフレッシュエリアにはソファとローテーブルを配置し、ローテーブルにはアメニティバーを設置しました。ゆっくりとコーヒーを飲みながら歓談しつつ女性特有の課題や「そこにアメニティとしてある」ことで自然とお互いの中に生まれる配慮などについて話し合うシーンなども見られました。 快適に働ける執務エリア 執務エリア 執務エリア廊下側から説明 執務エリアにはテーブルの上に、災害用レディースキット3days BOX、1day SlimBOX、また今回の展示に纏わるパネル・パンフレットやチラシを配置しました。廊下側(展示外側)から足を止めて見ていただく方も多く、また災害用のグッズの中でも「女性に特化した」防災品が入っていることに魅力を感じるとともに働く女性にとって大切な備えであることを改めて考えていただけるエリアとなりました。 会話が自然と生まれる打合せエリア 打合せエリアでは、コーヒーを片手にリラックスしていただいたり、ハイチェア・スタンディングチェアにより、「さっと集まって打合せができる」「立ったまま仕事ができる」という体験をしていただきました。&MEDICALのスタンディングチェアはまだまだ珍しく、「これいいねぇ!」と感嘆する声や「電車に欲しい!」と聞いて納得の声、「ちょっと寄り掛かっただけでも楽なんだね」「仕事しやすいかも」というような声も聞かれ、座ってばかりだと逆に健康に良くないとも言われる昨今に、アクティブで動きやすい新しい働き方の提案になりました。 ご協力企業様 今回の展示は、 トヨセット株式会社(トヨスチール):ソファ・執務エリア・キャビネットなど 株式会社ドリーム(&MEDICAL):スタンディングチェアなど健康家具 株式会社ファースト(サイネージ):動画投影 エームサービス株式会社(コーヒー):機器・豆など飲料材料 上記の企業様に多大なるご協力を賜りました。誠にありがとうございました。 共同展示につながる両社のこれまでの取り組み 共同展示「新しいオフィスづくりの可能性」は、両社の長年にわたる共創の積み重ねから生まれました。 企業間交換留学の実施営業やデザイン部門の社員が互いの企業に一定期間滞在し、業務の進め方や強みを理解し合うことで、事業発展と人材育成を目的とした実践的学びを推進。 内勤社員の交流会(年2回)日々の業務効率化や発想の転換を目的に、内勤社員同士の交流会を定期開催。他社との交流を通じて新しい視点や気づきを得る場として定着。 国際女性デー企画「FellneFES」の共同実施オカモトヤの女性活躍・ダイバーシティ推進ブランド「Fellne」に共感し、丸天産業でも同様の企画を実施。性別や立場に関係なく、自分らしく働ける環境づくりを社内文化として育成。 こうした企業間の相互理解と共創の積み重ねが、今回の共同出展につながりました。 来場者の声 ご来場者からは、「オフィスの環境は重要だと改めて感じた」「災害用レディースキットにある女性ならではの視点は新しい発見だった」「自社でも働きやすい空間や環境という視点を取り入れてリニューアルしたい」「女性だけでなく”誰もが” 心地よく働ける環境にしたい」などの声が寄せられました。このような来場者の反応やワークショップ・展示で交流させていただいた方々の様子から、今回の共同出展では、同業他社同士でも互いの強みを掛け合わせることで、柔軟で新しい価値を生み出せることが分かりました。 他社様展示 うっかり全体の写真を撮影するのを忘れていました・・・ということでメルマガでもお知らせしましたあかりカンパニー様の展示をご紹介します。 あかりカンパニー様 あかりカンパニー様はアカリナの展示をされていました。これまでの最大の展示!ということで広くスッキリとしたブースに閉めてもあかるい熱くならない折れないというブラインドとはどんなものなのか?!実体験とともに「理解できる」展示をされていました。 弊社も東南窓面「アカリナ」を採用していますがこの名だたる企業様方のロゴもアカリナの実力を表しているようで、圧巻の展示でした。 おわりに この出展はかねてからイベント等にてお付き合いをいただいていた学び舎mom様からご紹介をいただいたことからはじまりました。学び舎mom様は、社屋が新築の際にもイベントを開催してくださったり様々な方をご紹介くださったりと、「ご縁」でつながっていく面白さも教えてくださる方です。また上記にもありますが、オカモトヤ様との長年にわたる共創の積み重ねがあったからこそ実現できた共同展示でもあります。ご縁や「人を大切に」しつながっていくこと、人と関わり続けること、その集大成として出来上がった展示であったとの印象もありました。貴重な機会をいただいた関係者のみなさま、そしてブースにお立ち寄りくださった来場者のみなさまに、心より感謝申し上げます。 3日間を通して、さまざまな企業様と交流することで、私たち自身も多くの学びと気づきを得ることができました。丸天産業はこれからも「未来を変えよう、人と空間のチカラで」というパーパスのもと、まず自らが「人を大切にする職場づくり」を体現することで、働く人と企業の未来を共につくってまいります。 リリースを配信しました 同業2社 初の共創出展!株式会社オカモトヤと株式会社丸天産業が「メッセナゴヤ2025」に共同出展しました | 株式会社丸天産業のプレスリリース
学ぶだけでは終わらず、互いに活かす姿勢が共創の推進力になっています。
留学生から発信される今後の動きにも期待しています。
これからー業界を活性化する “共創の循環” へ
今回の取り組みは、新たな未来へとつながる “スタートライン” です。
振り返りのオリエンテーションを全社発信とすることで、留学生だけではなく全社員も自社の魅力を再発見し、あらためて価値を見出す機会となりました。
また、抽象的視点と具体的視点、その両方から俯瞰して考える力が増し、新たな共創への広がりや発見も生まれています。
一人が変われば、組織が変わる。
二社がつながれば、業界が変わる。
学びが次の学びを生み、挑戦が新たな挑戦へとつながり、異なる強みや視点が交わることでこれまでにない価値が生み出される。
これは、単なる協力ではなく、互いの知恵と経験を融合させながら未来を創り出す——“共創(Co-Creation)” という価値創造の循環です。
この共創の循環を、これからも企業の枠をこえて育て続けていきます。