合理的配慮の提供とは?

令和6年4月1日から障害者差別解消法の改正法が施行されています。これにより、これまで事業所では「努力義務」とされていた合理的配慮の提供が、「義務化」しました。
事業所とは、同じサービスを反復継続する意思をもって行う者を指します。企業や団体、営利非営利、個人か法人かボランティアなのか・・は関係ありません。ということはつまり・・
ほとんどすべての方にとって、ご自身にも関わる法である、ということが言えます。
ではいったい、何をどのようにしたら義務である事業をしていることになるのでしょうか?
この疑問を解決するために、法の言葉の定義をまず2つ、理解してみましょう。

定義その①障害者とは?

皆さま、「障害者の方」と聞くとどういう方を想像しますか?


一度思い浮かべてみてください。


いかがでしたでしょうか。
真っ先に思い浮かんだのは、障害者手帳を持っているような方々だったのではないでしょうか。
実は、障害者差別解消法における「障害者」とは、障害者手帳をお持ちの方々だけを指した言葉ではありません。
身体障害、知的障害、精神障害、その他心や体のはたらきに障害がある方で、「障害や社会の中にあるバリアによって、日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人全て」が対象となっています。

定義その②合理的配慮とは?

ただの「配慮しましょう」ではなく、なぜ配慮の前に「合理的」と形容詞をつけて表現されるのでしょうか。実はここがポイントです。
合理的配慮には3つの留意点があり、

  • 必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること
  • 障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること
  • 事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないこと

というものがあります。
つまりは、「なにがなんでも」新しいものを購入し・大規模工事し・実際は提供していないサービスでも配慮として提供し、特別な対応をしなければならない、ということではなく、「個別の事業ごとにできることできないことを相互理解のもと」、ともに対応していきましょう、ということです。
この2つを踏まえ合理的配慮の提供の義務化に対し今後すべき行動としては、

  • 障害のない人と異なる取り扱いをして、障害のある人を不利にしないこと
  • 障害のある人に対し、不当な差別的取扱いをしないこと
  • 個別の事業ごとに具体的な場面や状況に応じて総合的客観的な判断をすること
  • 建設的な対話を通して、個々の場面に柔軟に対応していくこと

が挙げられます。

現状でできることとは?

今、できること・・例えば?

いつもの職場・オフィスで何ができるでしょうか?
どんなことが、合理的配慮の提供に当てはまるでしょうか。
たとえば・・・

  • ここに段差がありますよ、と予めお伝えしたり、どのくらいの高さの段差があるのか予めご案内の際に明記しておく
  • 耳の不自由な方のために筆談できるグッズを用意しておく
  • 目の見えない人にもわかるようにユニバーサルデザインを取り入れる
  • 少しだけ、ご案内するルートやルールを変更してみる
  • 建設的な対話を心掛ける、もしくは対話を想定した事例から研修をしてみる
  • 車椅子の方が来られた時のためにエレベーターに鏡をつけてみる

大改修・大改編をしなくても、いまの会社の中でできることも、合理的配慮の提供といえます。
できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

内閣府からの案内も参照しよう

内閣府では、障害を理由とする差別の解消の推進 として、下記のように掲載しています。


国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、平成28年4月1日から施行されました。
令和3年5月、同法は改正されました(令和3年法律第56号)。改正法は、令和6年4月1日から施行されます。

内閣府 障害者施策より

分かりやすい資料や、詳細情報が掲載されていますので是非参考にされてください^^

編集後記

 本日は合理的配慮の提供についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
価値観とはさまざまであり、とても気を遣ってみても、配慮がやりすぎになってしまいご本人様にとっては嫌だったり、むしろ普通に接して欲しいとおっしゃる方もいらっしゃいます。
なので、だからこそ「建設的対話」を通じて相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが重要です、とリーフレットに書かれています。
先日FMフォーラムにて、この合理的配慮の提供についてご講演された方がいらっしゃり、その方は、「日本は外出しやすいけれどしたくなるかは別であり、障害は人ではなく環境・社会に存在している」とおっしゃっていました。
環境・情報・意識に、バリアがある。
昨今言われている、LGBTQもSDGsもきっと課題は同じだなぁと思いながら、まずそこにある「前提」を変える、正しい情報を「知る」、これはこういうものだというこれまで「当たり前」に思っていたことを見直す、ことが必要なんだなと思った次第です。
自分達の会社ではどうしたら配慮になるかな?
などお悩みがありましたらぜひ弊社までご相談ください。
今後ともどうぞよろしくお願いします。