「もっとこんな風に使えたらな」
「こんな場所があったら、働き方が変わりそう」
「今の使い方に、このレイアウトは合っている?」
毎日働いている場所だからこそ見えてくる、小さな課題や新しい要望。
2023年に完成した丸天産業の新社屋は、実は、完成してからも少しずつ変わり続けています。
今回は、そのBefore→Afterとプロジェクトの裏側をご紹介します。
目次
なぜ、自社オフィスを定期的にリニューアルするのか?
今回は、社員アンケートやワークショップで集まった声をもとに、本社1~4階をリニューアルしました。新しい家具を取り入れた場所もあれば、今ある家具の組み合わせだけで大きく使い方を変えた場所もあります。弊社では、社員自身がより良い職場環境や働き方を考える「社内アップデートプロジェクト」を継続して行っています。
今回の大きなテーマは、
テーマ
「社員のモチベーション向上」
「健康経営」
につながるものを、と検討していました。その中で、
年間予算を、毎月少しずつ使いながら改善していくのか。
それとも、課題をまとめて一度に大きくリニューアルするのか。
どのようなアップデートにしていくのか、プロジェクトメンバーで検討した結果、今回は社内の声を集めたうえで、年に一度まとまったリニューアルを実施することになりました。
そのために行ったのは、社内サーベイとワークショップです。
- どこに課題を感じているのか
- どんな場所があったら、もっと働きやすいと思うか
- このフロアを、今後どんな場所にしたいのか
社員から集まった声をもとに、プロジェクトメンバーとデザイン部で改修内容を考えていきました。
社員の声から見えてきた、今回の課題
今回出てきたのは、決して大きな困りごとだけではありませんでした。
例えば、
- 西日が差し込むと暑い
- 机と椅子の間が少し窮屈
- 人数が変わって、今の席数が合わなくなってきた
- リラックスできる場所がほしい
- 音が気になる
- モニターをもっと有効に使いたい
- 床の傷みが気になる
- 空いているスペースをもっと活用したい
といった、日常の中で感じる小さな声です。
一つひとつは小さなことでも、毎日働く場所では少しずつ積み重なっていきます。
そこで今回は、「家具を何に替えるか」から考えるのではなく、
Point
なぜ、その困りごとが起きているのか。
この場所で、本当はどんな過ごし方ができるとよいのか。
を整理しながら、レイアウトや家具、内装を検討しました。
今回あえて、デザイナーの担当フロアを入れ替え
今回のアップデートでは、ちょっとした“仕掛け”を取り入れました。これまで各フロアをメインで担当していたデザイナーの配置を、今回はあえて変更しています。
きっかけは、
デザイナー
同じ人が同じフロアを見続けていると、どうしても使い方のイメージが固まってしまうのでは?
という一言。
一度違う目線を入れることで、今まで当たり前だと思っていたレイアウトや使い方を見直してみたい。
より社員が過ごしやすいものに、と前に進みたいからこそ出てきた提案でした。
ワークショップでの社員の意見を持ち帰った後も、一人だけで考えるのではなく、デザイン部内で相談しながら空間へと落とし込んでいきました。
その結果、これまでとは違うアイデアも生まれました。
各フロア、ちょっとピックアップ
1F:傷んだ床を、ちょっと意外な方法でアップデート
Before|床面の不具合を確認
1階では、大きくレイアウトを変えるというよりも、今ある空間をより使いやすくする改善を中心に行いました。
その一つが、床です。
キャスターなどを使用することで、一部に傷みが目立つようになっていました。

After|今回は「ラグ」に挑戦
床を全面的に工事するのではなく、今回はラグを取り入れることにしました。
実は採用したのは、これまでオフィスではあまり使ってこなかったホームユース向けのラグ。
デザイナーにとっても、少し挑戦的な選択でした。
デザイナー
オフィスで使ったら、どのくらい持つんだろう?
そんな検証も含めた、自社だからこそできる試みです。

大きくつくり替えなくても、今ある空間に小さな工夫を加えることで、使いやすさは変えることができます。
2F:社員の「ちょっと困る」をまとめて解消
2階は、今回特に社員の声を反映したフロアです。
アンケートや社内の意見では、
社員
「夕方になると、西側が暑い」
「机と椅子の間がちょっと窮屈」
「人数が変わって、今のレイアウトが合わなくなってきた」
といった声が挙がっていました。
一つひとつの小さな不便を、レイアウトから見直す
日射による暑さ、席数、家具同士の距離、部署人数の変化。それぞれを確認しながら、現在の働き方に合わせてレイアウトを再構成しました。社員から希望が挙がっていた上下昇降テーブルも今回の案に反映。家具を置くだけではなく、展示品や社内で扱うアイテムがどのように見えるかにも配慮しています。
2階で特に大切にしたのは、
大切にしたこと
「デザイナーがつくりたい空間」ではなく、
実際に使う人が使いやすい空間にすること。
日々感じていた小さな不便を拾いながら、働く人の想いをレイアウトへと落とし込みました。


3F:家具を買わなくても、オフィスは変えられる
今回のアップデートでは、予算を2階と4階に重点的に配分しました。そのため3階で考えたのは、
デザイナー
今ある家具で、どこまで変えられる?
ということでした。
既存家具の「組み合わせ」を見直す
これまでのアップデートでは、大きな変化をつくりにくかった3階。
今回は、新しい家具を増やすのではなく、今ある家具の配置や組み合わせを大きく見直しました。
モニターを会議でより活用しやすくしたり、ビッグテーブル周辺の使い方を考えたり。また、ライブラリー前のソファは、周囲を少し囲うことでほどよく視線を遮り、利用しやすい場所へと変えています。家具そのものは同じでも、配置が変わることで、新しい使い方の可能性を広げました。
オフィスを変える=新しい家具を買う、だけではありません。
今回、自社で改めて実感したポイントの一つです。



4F:「働く場所」に、ちょっと休める余白を
今回、特に大きく印象が変わったのが4階です。
社員からは、
- リラックスできる場所がほしい
- 仕事中に気分を変えられる場所が少ない
- 音が気になる
- 空いているスペースをもっと活用したい
といった声が挙がっていました。
そこで、集中して働く場所だけではなく、休憩したり、グループで話したり、少し気分を変えたりできる場所を増やすことにしました。
床に曲線を配置
4階で特にこだわったのが、床の貼り分けです。
これまでの社内空間には、ゾーニングを直線的に表現している場所が多くありました。そこで今回は、既存の曲線的なフレームに合わせ、床にもカーブを取り入れています。
実は施工時には、職人さんからも難しいと言われた部分。それでも調整を重ね、曲線を生かした床を実現しました。

直線が多かった空間に柔らかなラインが加わり、これまでとは少し違った印象になっています。
働く場所+リラックスできる場所へ
新しくソファなども取り入れ、休憩やグループワークがしやすいスペースをつくりました。


また、気になっていたエレベーター前の段差も、お客様や社員の安全面も考えて改修しています。
デザインだけでなく、毎日の使いやすさも含めたアップデートです。
アップデート後の変化とは?
アップデート後、特に変化が見られたのが4階です。以前よりも4階を利用する社員が増え、これまで3階を中心に仕事をしていた社員が4階で働いている姿も見られるようになりました。
席数を増やしたことで、「ここで働こう」という選択肢も増えています。
一方で、今回の目的は単に利用人数を増やすことではありません。
例えば4階では、
- グループワークに使われているか
- 休憩したいときに使われているか
- 気分転換できる場所になっているか
といった、本来想定していた使われ方が生まれているかを、今後も確認していく予定です。
PJリーダーインタビュー
今回の社内アップデートをリーダーとして進めた小川。3年間プロジェクトに携わったことで、営業としてお客様へ提案するときの視点にも変化があったと話します。

Q.プロジェクトを進める中で、一番大変だったことは?
一番は、社内の調整です。
空間を変えることだけを考えていると分からないのですが、実際にはいろいろな部署に確認しなければいけないことがあります。例えば倉庫一つを動かす場合でも、どの部署が管理しているのかによって確認する相手も変わります。
「これは誰に聞けばいいんだろう?」という細かな調整が、実はすごく多かったです。
Q.3年間リーダーを経験して、変わったことはありますか?
営業としてお客様にオフィスをご提案することは多いですが、自分が実際に事務局側になってみて、お客様の中でどれだけ多くの調整が行われているのかが分かるようになりました。以前よりも、
「このお客様は、今ここでお困りなんだろうな」
と想像できるようになったと思います。
Q.自社で取り組んだからこそ、感じたことは?
どうしてもオフィスづくりというと、家具や内装などのハード面に目が行きがちです。
ですが、本当に働きやすくするには、運用面も一緒に考えないといけません。自分たちで取り組んだからこそ、包括してサポートすることの必要性を実感しました。
デザイナーインタビュー
担当デザイナー1
4階の印象は大きく変わりました
特に4階は、以前から知っている方にも「変わったな」と感じてもらえる空間になったと思います。
実際に使っている社員も増えています。ただ、これで終わりではありません。
当初考えていたように、グループワークや休憩の場所としてきちんと使われているのか。
今後も経過をフォローし、必要に応じて改善を図っていきたいと考えています。
担当デザイナー2
プロジェクトとデザイン部の橋渡しとして
社内アップデートメンバーとデザイン部という、二つの視点から今回のプロジェクトに携わりました。
社内の皆様が困らず、快適に過ごせる環境づくりを常に心がけておりました。
社員自身の働く環境をより良くできた喜びを力に変え、今後のお客様へのご提案につなげてまいります。
自社でやってみて分かった、オフィスづくりに必要なこと
今回、改めて感じたことがあります。それは、
オフィスは、家具や内装を変えただけでは完成しない。
ということです。
新しい空間ができれば、
「この場所は誰が管理する?」
「ゴミ箱はどこに置く?」
「書類はどう受け渡す?」
「郵便物はどうする?」
「新しいルールをどう社員へ伝える?」
「ペーパーレス化するなら、何を誰が進める?」
といった、たくさんの “運用” がついてきます。
自分たち自身が利用者と事務局の両方を経験したことで、こうした目に見えない部分まで一緒に考えることの大切さを改めて実感しました。
丸天産業でも、家具・内装といったハード面だけではなく、
新しい空間でどのように働くのかというソフト面まで含めたサポートを、これまで以上に大切にしていきたい
と考えています。
※参考※

会社のビジョンと現場の本音、どうつなぐ?丸天産業の「MIRAI場プロジェクト」で解決!
働いている空間リニューアルの指示が出たけれど、何から手をつけよう??そんな風に困ったことはありませんか? 空間リニューアルの担当者が最初にぶつかる壁 プロジェクト担当者となった皆様から、 よくこのようなご相談をいただきます。会社の方針やビジョンを理解していても、それを具体的な空間へ落とし込むとなると、また別の難しさがあるのです。 実は、このように「どうしたらいいのだろう?」と立ち止まって考えることは、空間リニューアルをより良いものにするための大切な第一歩です。この部分を曖昧にしたまま、見た目の美しさや家具選びから進めてしまうと、完成後に 思っていた働き方ができない 社員にうまく活用されない といった課題につながることがあるからです。せっかくのリニューアルを一時的な空間の変化で終わらせないためには、表面的なデザインを考える前に、会社が目指す姿と現場で働く皆様の想いを整理し、これからの働き方につながるストーリーを一緒につくり上げることが大切なのです。では、その「これからの働き方」を、どのように具体的な空間へとつなげていけばよいのでしょうか。その答えを、皆様と一緒に考え、かたちにしていくのが「MIRAI場」です。 空間ではなく「働き方」をデザインする『MIRAI場』とは? 丸天産業が展開する『MIRAI場(ミライバ)』は、単なるオフィス家具の販売や内装工事ではありません。 「本音に本気で向き合う空間づくり」をテーマに、会社の方針、皆さんの日々の行動・意識、そしてこれからの働き方と空間。この3つの関係を一つひとつ整理し、お客様と一緒に最適な「働き方と運用の仕組み」そのものをデザインしていく伴走型のプロジェクトです。 いきなり図面を描くことはしません。では、私たちが実際にどのようなステップでモヤモヤを晴らし、ビジョンと本音をつないで理想の空間へとカタチにしていくのか。その具体的なプロセスをご紹介します。 ビジョンと本音を繋ぎ、空間へ落とし込む6つのステップ プロジェクトを成功に導くため、丸天産業では以下のプロセスを皆様と一緒に歩んでいきます。 事前準備:目指す姿の言語化 まずはトップインタビューや、社員の皆様への働き方・意識調査を実施します。現状の課題を把握した上で、「会社としてどうありたいか」という目指す姿の言語化を行います。 STEP1:本音と課題の言語化(第1回WG)※WG=ワーキンググループ 事前調査を基に、チームビルディングと課題抽出を行います。「私たちは本当はどう働きたいのか?」という根底にある意識と行動を言語化し、プロジェクトの土台を作ります。 STEP2:インプットツアーで視界を広げる(第2回WG) 自社の常識を取り払うため、先進的な事例を実際に見て体感する「インプットツアー」を実施します。事例から学ぶことで固定観念を外し、「こんな働き方もアリなんだ!」という新しい視界をチームで共有します。 STEP3:働き方・空間の可視化(第3回WG) STEP1と2で得た気づきを元に、目指す姿の実現に向けた働き方や空間のイメージを可視化していきます。ここから少しずつ、抽象的な想いが具体的なカタチになり始めます。 STEP4:レイアウトと働き方のブレスト(第4回WG) 具体的なレイアウトプランの提案に加え、ゾーニング(空間の機能ごとの配置)や働き方についてのブレインストーミングを行います。図面を見ながら、実際の運用をイメージして議論を深めます。 STEP5:空間パースと仕様検討(第5回WG) よりリアルな空間パース(立体的な完成予想図)をご提案し、具体的な什器やICTツールの仕様検討に入ります。空間のトーン&マナーや使い勝手を細かく詰めていくフェーズです。 STEP6:最終ブラッシュアップ(第6回WG) これまでの議論を反映した修正空間パースや修正レイアウトを提出し、最終的なブラッシュアップを行います。皆様の想いが、ついに一つの確固たる「空間プラン」として完成します。 一緒に、未来のオフィスをつくりましょう このように、対話と可視化を繰り返す丸天産業の6つのステップを歩むことで、「何から始めればいいか分からない」という不安は、いつしか「自分たちでつくりあげたストーリー」へと変わります。会社のビジョンを、現場の皆さんの本音や行動と結びつけ、最適な空間へとカタチにする。そのプロセス自体が、チームを強くし、空間リニューアルの投資価値を最大化していくのです。 はたらくをはずませよう。そのために、一緒にストーリーをつくり上げること。私たちが大切にしている思いです。 過去から現在、未来に向けた想いまで一緒に言葉にし、つくり上げられた空間と働き方には、人に勇気を与え、新たな価値や幸せを生み出すチカラがあります。 私たち丸天産業は、お客様の企業価値向上はもちろんのこと、そこで働く皆様一人ひとりの人生がより豊かになることを大切にしています。そのため、単なるサプライヤーではなく、同じ目的を見据える伴走者でありたいと考えています。
おわりに|丸天産業のオフィスも、まだ完成ではありません。
今回のアップデートでは、社員の声を起点に、家具を入れ替えたり、既存家具を組み替えたり、内装を変えたりしながら、本社1~4階を見直しました。
でも、これで完成ではありません。
実際に使ってみて、
「ここはもっとこうした方がいい」
「思っていた使われ方と少し違う」
「こんな使い方もできそう」
という新しい発見があれば、また変えていきます。
つくって、使って、気づいて、また変える。
丸天産業のオフィスも、働く人と一緒にこれからもアップデートを続けていきます。