名古屋のすぐそばに、こんな自然があるって知っていましたか?
名古屋市の南西、伊勢湾に広がる「藤前干潟」。
都市のすぐ近くにありながら、渡り鳥やさまざまな生きものが集まる、貴重な自然環境です。
四季を通して多くの命に出会えるこの場所は、
自然の大切さを“実感できる”場所として、多くの人に親しまれています。
今回は、藤前干潟の歴史や魅力、そして自然にふれながら学べる取り組みについてご紹介します。

藤前干潟とは?
藤前干潟は、名古屋市港区の庄内川・新川・日光川の河口部に広がる干潟です。
国内でも重要な渡り鳥の飛来地として知られており、都市部の近くにありながら、多くの水鳥や干潟の生きものに出会える貴重な自然環境です。
「こんな身近に、こんな自然があるんだ」
そう感じられること自体が、この場所の大きな価値かもしれません。

埋め立て計画から守られた干潟
実はかつてこの藤前干潟を埋め立ててごみの処分場にする計画がありました。
20世紀末、名古屋市ではごみが増え続け、埋立処分場の確保が大きな課題に。
その中でこの藤前干潟に新しい処分場を作る計画が立てられました。
しかし――
渡り鳥をはじめ、多くの生きものが生息するこの場所を守ろうとする声が広がり、1999年、名古屋市は埋め立て計画を中止。
さらに「ごみ非常事態宣言」をきっかけに、市民・事業者・行政が一体となって徹底的に分別に取り組み、ごみの量を減らしました。
「自然を守るために、暮らしを変える」
この選択は、今の私たちにも大切な問いを投げかけてくれます。
ラムサール条約湿地としての価値
藤前干潟は、その国際的な価値が認められ、2002年11月にラムサール条約湿地に登録されました。さらに名古屋市は、2025年に「ラムサール条約湿地都市」として認証されています。
ラムサール条約は、湿地とそこに生息する動植物を世界全体で守っていこうとする国際的な枠組みです。これは単に“自然がある”というだけでなく、その自然を地域ぐるみで守り、活かし、未来へつなげていることが評価されたものです。
藤前干潟は、
「守る場所」でありながら「学び、関わる場所」でもあるのです。
季節ごとに出会える鳥たち
飛来する渡り鳥
藤前干潟には、さまざまな渡り鳥が飛来します。特にシギ・チドリ類は、春と秋にその姿を見ることができ、季節の移ろいとともに違った景色を楽しめます。

また、一年を通して見られる鳥もいます。ミサゴ、カワウ、アオサギなどは、藤前干潟の豊かな環境を感じさせてくれます。訪れる季節によって出会える鳥が変わることも、藤前干潟ならではの楽しみです。

彼らがここに集まる理由は、とてもシンプルです。
「生きていくために必要な環境が、ここにあるから」。
そしてそれは、
この干潟が健やかな環境である証でもあります。
藤前干潟は渡り鳥の中継地
藤前干潟は、東アジア・オーストラリア間の渡り鳥の飛行経路上にあります。

南北に移動する渡り鳥たちの重要な中継地、それが藤前干潟です。
干潟の生態系と大切なはたらき
豊かな生態系
藤前干潟の魅力は、鳥だけではありません。
干潟にはカニやゴカイ、貝類など多くの生きものが生息しており、それらを餌にする鳥たちが集まることで、豊かな生態系が成り立っています。藤前干潟が多くの渡り鳥にとって大切な場所となっているのは、こうした餌となる生きものが豊富だからです。
水質浄化作用
さらに、干潟には「水質浄化作用」という大切なはたらきがあります。さまざまな生きものの食べる・食べられる関係が自然に循環することで、水質の悪化を抑える役割が生まれています。
鳥が多く集まることは、餌となる生きものが多いだけでなく、水辺の環境が健やかに保たれていることの表れでもあります。
干潟が失われると、こうした自然のバランスも崩れやすくなります。生きもの同士の関係が自然に循環することで、水をきれいに保つ。
干潟は、見えないところで環境を支えている存在でもあるのです。
藤前干潟ふれあい事業
藤前干潟では、生きもの豊かな干潟の大切さを伝えるために、行政やNPOなどが協力して「藤前干潟ふれあい事業」を行っています。自然にふれながら学べるイベントが用意されており、子どもから大人まで藤前干潟の魅力を身近に感じることができます。
藤前干潟ふれあい事業では年間を通じて様々なイベントを企画しています。
令和8年度の事業については名古屋市のHPをご確認ください。
藤前干潟ふれあい事業では、見るだけでなく、実際に足を運んで体験しながら学べることが大きな魅力です。イベントを通して、藤前干潟の自然や、守っていくことの大切さをより身近に感じることができます。




絶景?オススメ撮影ポイント
こんな撮影ポイントも。


「名古屋市」にある、身近な自然。景色を撮影に、癒されに、渡り鳥の飛来を見に、
ぜひ藤前干潟に足を運んでみてください。
おわりに
藤前干潟は、多くの人の選択と行動によって守られてきた場所です。
そして今も、地域全体でその価値を守り、未来へつないでいこうとする取り組みが続いています。
都市のすぐそばに、これほど豊かな自然が残されていることはとても貴重です。
藤前干潟の歴史や魅力を知ることは、自然を守ることの大切さや、地域の未来について考えるきっかけにもつながります。
少し視点を変えると――
これは“環境の話”だけではないのかもしれません。
「自分たちの暮らす地域をどうしていくのか」
「どんな未来を選択するのか」
そんな問いに向き合うヒントが、ここにはあります。
私たち丸天産業は、「未来を変えよう、人と空間のチカラで」というパーパスを掲げています。
空間づくりの仕事は、単に場を整えることではなく、人と人、人と地域をつなぎ、よりよい未来を育てていくことだと考えています。
藤前干潟を守り、活かし、未来へつなぐ名古屋市の取り組みは、地域の価値を見つめ直し、多くの人の関わりの中で育てていく活動です。その姿勢は、地域に根ざして事業を行う私たちにとっても、深く共感できるものです。
丸天産業も、地域貢献やSDGsの視点を大切にしながら、名古屋というまちの中で、地域や社会との関わりを育んでいきたいと考えています。
地元から日本を元気に。
人と人とのつながりを大切にしながら、これからも地域の未来に貢献してまいります。