ホテルに入った瞬間や、お店の前を通ったとき。
「なんだか、いい香りがする」と感じたことはありませんか?

実はその香り、偶然そこにあるものではなく、
その場所の印象やブランドの世界観を伝えるために、意図的につくられたものかもしれません。

今回は、目には見えないけれど空間の印象を左右する、ちょっと意外な「香りと空間づくり」の関係をご紹介します。

空間の印象は、「見た目」だけで決まらない

「素敵な空間」と聞いたとき、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

おしゃれな家具。
印象的な照明。
心地よい色合い。
開放感のあるレイアウト。

まずは、そんな「目に見えるもの」を想像するかもしれません。けれど、私たちが空間から受け取る印象は、それだけではありません。インテリアや照明はもちろん、スタッフの装いや接客、音、そして空間を満たす「香り」。さまざまな要素が重なって、その場所らしさをつくっています。
たとえば、ホテルのロビーに心地よい香りが漂っていると、空間そのものをより上質に感じたり、落ち着いた気持ちになったりすることがあります。
それはつまり私たちは、空間を「目」だけで感じているわけではない、ということです。
見て、聞いて、触れて、香って。五感を通じて、その場所を体験しているのです。
その中でも今回は、目には見えない「香り」に注目してみます。

なぜ香りを嗅ぐと、昔のことを思い出すの?

  • 街を歩いていて、ふと漂ってきた香りから昔訪れた場所を思い出した。
  • 子どもの頃によく食べていた料理の匂いから、実家の風景が浮かんだ。
  • 以前使っていた香水の香りで、その頃の出来事を急に思い出した。

そんな経験がある方もいるのではないでしょうか。
香りは、私たちの「感情」や「記憶」と深く関わる感覚のひとつです。嗅覚から受け取った情報は、脳の中でも感情や記憶に関わる領域と深いつながりを持つとされています。
だからこそ香りによって、

「なんとなく落ち着く」
「ちょっと懐かしい」
「この場所、なんだか好きかも」

といった感覚が生まれることがあるのです。
香りは、ただ「いい匂いにする」ためだけのものではなく、

この場所でどんな気持ちになってほしいのか。
どんな印象を持ち帰ってほしいのか。

そんなところまで考えて空間をつくるための、ひとつの要素になるのです。

実は世界中で使われている「香りのブランディング」

「香りを空間づくりに使う」と聞くと、少し特別なことのように感じるかもしれません。しかし、この考え方はすでに世界のさまざまな場所で取り入れられています。
そのひとつが、アメリカ発の香りマーケティングブランド「ScentAir(セントエアー)」です。
「香りでブランド体験をデザインする」という考え方のもと、世界119か国、10万拠点以上で展開しており、ホテルやリゾート・ブランドショップ・ラウンジなど幅広い空間で活用されています。
Hilton、Marriott、ZARA、NIKE、HUGO BOSSなど、世界的なブランドへの導入実績もあります。

さて、ここで大切なのは、香りそのものを目立たせることではありません。

香りを使ったブランディングとは?

香りで主張はしない

「いい香りでしょう?」と主張するのではなく、
その場所らしさやブランドの世界観を、五感を通して自然に感じてもらうこと。

それが、香りを使ったブランディングの考え方です。

身近なところにもある「香りの効果」

こうした香りの働きは、実は私たちの身近なところでも感じることができます。
香りによって、その場所で感じてほしい印象や体験を、より強くすることがあるのです。

たとえば、

  • 掃除をした後のような爽やかな香りで、空間の「清潔感」を感じてもらう
  • コーヒー店に漂うコーヒーの香りで、「おいしそう」「少し休憩したい」という気持ちを引き出す
  • ポップコーンの香ばしい香りで、食欲やその場ならではのワクワク感を高める

このように香りは、目には見えなくても、その場所が持つ魅力や価値をより印象的に伝えるための要素として活用することができます。

私たち自身も知らないうちに、さまざまな場所で「香りによるブランド体験」をしているのかもしれません。

では、オフィスに「香り」があったら?

香りを活用できるのは、ホテルやショップだけではありません。オフィスのエントランスや受付、ショールームなどにも取り入れることができます。
たとえば、お客様が会社を訪れたとき。
入口の雰囲気や受付、働いている人の様子などから、その会社の第一印象を感じ取ります。
そこに会社のイメージに合った香りが加われば、

「明るい会社だな」
「落ち着いた雰囲気だな」
「なんだか居心地がいいな」

と感じてもらうきっかけになるかもしれません。ショールームなら、商品やインテリアと香りを組み合わせて、伝えたい世界観をより印象的にすることもできます。
また、来訪者だけでなく、そこで働く人にとっても、

「ここに来ると仕事モードになる」
「この場所に来ると気持ちが切り替わる」

そんな感覚につながる可能性があります。

「いい香りを置く」だけではない。香りから始める空間づくり

今回ご紹介している「香り」を起点にした空間ブランディングを手掛けるのが、
株式会社アーバンゲートアジア様です。
空間の用途や訪れる人、伝えたいブランドイメージ、導線などをヒアリングしたうえで、150種類以上のフレグランスから香りを選定。オリジナルフレグランスの調合にも対応。さらに、空間の広さや空調設備に合わせた機器の選定、設置、濃度調整、タイマー設定、導入後のメンテナンスまで一貫してサポートしています。
香りは、一度決めて終わりではありません。
季節や空間の使われ方に合わせて調整しながら、その場所に合った状態をつくっていきます。

弊社では、こうした香りの専門性を取り入れながら、家具やレイアウト、インテリアなども含めて、空間全体をブランディングすることも可能です。
「香りを入れること」そのものを目的にするのではなく、

この場所で、どんな気持ちになってほしいのか。
どんな体験や印象を持ち帰ってほしいのか。

その空間の目的やコンセプトから考え、必要なものを組み合わせていく。
その選択肢のひとつとして「香り」が加わることで、空間づくりの可能性はさらに広がります。
普段はあまり意識することのない香りですが、次にホテルやショップ、カフェ、オフィスなどを訪れたとき、少しだけ意識してみてください。

「なぜ、この香りなんだろう?」

そう考えてみると、その場所がつくりたい雰囲気や、伝えたい世界観まで見えてくるかもしれません。あなたが感じたその「いい匂い」。

香りを取り入れてみませんか?

「自社のエントランスにも取り入れられる?」
「ショールームの印象をもっと良くしたい」
「自社らしい空間づくりを考えてみたい」

そんなご相談も、お気軽にお問い合わせください。

香りだけでなく、家具やインテリア、レイアウトなども含めて、空間全体から一緒に考えます。